【LoL】高ランクプレイヤーは本当にブリッツのフック頻度が低いのか?【パッチ13.1B】

【LoL】高ランクプレイヤーは本当にブリッツのフック頻度が低いのか?【パッチ13.1B】
この記事はパッチ13.1Bの時に書かれています

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  • ブリッツのフックの使用回数とランクは相関がない

前書き:公式サイトから消えてしまった記事の追試をしてみる

LoLの公式サイトにはいろいろな記事が投稿されますが、以前はクレアボヤンスブログというカテゴリの投稿がありました。このカテゴリは実際のゲーム内容から統計データを抽出して紹介する、という内容でした。その中で、ランクとスキルの使用回数の関係を扱った記事がありました。その記事内で「ブリッツクランクのQ:ロケットグラブ、いわゆるフックはランクが高ければ高いほど使用頻度が低い」という言及がありました。これは、高ランクプレイヤーはフックを実際に使うよりもその脅威をちらつかせる方が効果的だと考えていていて、ここぞというタイミングでしかスキルを使わない、というプレイ内容を示唆するデータだ、ということを紹介する記事でした。
最近になって、改めてその記事を探したのですが、日本語サイトと英語サイトの両方を探しても見つかりませんでした。LoLの公式サイトは以前に大幅に刷新されたのですが、その中で削除されてしまったようです。今ではその記事が閲覧できないので、今回はこの「ブリッツのフックの使用回数はランクと相関があり、ランクが高ければ高いほど使用回数が少ない」をRiotAPIで確認しようとしました。

実験結果:ランクとフック使用頻度は関係がない!?

確認方法は、RiotAPIを使ってブリッツがフックを使った回数を取得しました。調べる対象としたゲームは、ブリッツがサポートで使われたランクゲームで8613ゲームありました。この数は、私が取得できたデータのうちパッチが12.19から12.23の間に行われたゲームでブリッツがサポートで使われたランクゲームの全てです。

単にゲーム中にフックを使った回数だと、単にゲーム時間が長引けば使用回数が多くなってしまうのでゲーム時間で割った「1分当たりのフックの使用回数」を出しました。これをアイアン4からチャレンジャーまでの27のランクごとに集計し、箱ひげ図としたものが図1です。

ブリッツのQランク別に箱ひげ図にした1分当たりの使用頻度
図1 ランク別のフックの使用頻度

箱ひげ図は、データの分布を可視化するためのグラフです。箱の中の線が中央値です。 箱の大きさは、データのばらつきを示しており、箱が大きければデータがばらついていることを示し、箱が小さければデータがまとまっていることを示します。また、箱の範囲に全体の50%のデータが含まれています。箱の上下に伸びているひげの先端は、最大値と最小値を示してます。
見ての通り、箱の真ん中にある中央値はほとんどのランクで0.8から0.9回/分付近にあります。箱の位置自体もランクで大きく変わらないので、ランクが上がれば上がるほど使用回数が少なくなる、という傾向はこの図からは読み取れません。箱の大きさもほとんど同じなので、ランクが上がれば使用回数の分散が小さくなる、というようなこともありません。一番左端のアイアン4と右端のチャレンジャーは少し少ない側にずれてますが、それぞれ集計したゲームが30ゲーム以下と少ないのでそのせいだと考えています。
この結果から、少なくともブリッツのフックはアイアンもチャレンジャーも同じ頻度で使っていると結論付けました。もちろん使うタイミングや当たる割合、当たった場合にキルやオブジェクトにつながる確率は違うと思うので、その違いを可視化することは今後の課題です。しかし今回、「ブリッツのフックの使用回数はランクと相関があり、ランクが高ければ高いほど使用回数が少ない」という事実を裏付けるデータを発見することは出来ませんでした。

今後の課題:他のチャンピオンの他のスキルはどうなのか

今回の実験で、ブリッツクランクのロケットグラブには使用頻度とランクの関係を見出せませんでした。
今回のテーマを扱った目的の一つとして、こういう客観的な数値で自分のプレイを振り返ることはできないか?と考えています。たとえば麻雀の放銃率は(天鳳の)段位が高ければ数値が下がることが知られています。似たような感じで、ランクの高いプレイヤーと低いプレイヤーは明確にプレイ内容が違うので、その違いが客観的な数値で出ている部分を見つけたいと考えています。ランクと強い相関がある数値を発見できれば、自分のスタッツと比べることで、上手くなるためにはどうすればいいかの新しい手がかりになると思ってます。

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